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“記憶”の表現が巧みだった【エターナル・サンシャイン】※注 ネタバレあり! [Movie]

生まれて初めて試写会なるものが当たり、平日21時過ぎから上映という無茶な上映時間であったが(都外の方の場合、最終電車を逃すギリギリの時間なので)、せっかく二人まで観られるのだからと家族を無理矢理連行し、渋谷まで車を飛ばして【エターナル・サンシャイン】を観に行ってきた。
時間的に人が集まるか疑問だったが、やはり無料で観られる‥しかも話題の作品となると時間など気にならないようで会場は満席状態。
来たのが遅すぎたかと思っていたが(入場前に結構並んでいたので)、ちょうど良い時間に自分達は到着したようで、無事に良い席を確保することができた。
・・・と、実は、この試写会は先月の3月10日のことだったりする。
公開前だったこともあり(公開は3月12日からだった)、コメントを控えていたのだが、そのままスッカリ忘却の彼方へと逝ってしまったのである…。
・・・というわけで、今更ながらに感想を。

主人公ジョエル・バリッシュに珍しくシリアスな役を演じる顔面筋が自由自在のジム・キャリー、その恋人クレメンタイン・クルシェンスキーにケイト・ウィンスレット。
そして二人を取り巻く‥二人の記憶を握る管理者?=スタッフ達に、病院受付のメアリーに「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」で素晴らしい存在感を魅せたキルスティン・ダンスト、クレメンタインに惚れてしまうパトリックに“フロド”ことイライジャ・ウッド、ジョエルの記憶削除の処理を実際に行うスタンに「コラテラル」のマーク・ラファロ、記憶を消せる医師Dr.ハワード・ミュージワックに「恋におちたシェイクスピア」のトム・ウィルキンソン。

自分はジム・キャリーの作品はコメディしか観たことがなく、喜怒哀楽が激しく強烈なキャラばかりの印象があって‥どうしてもその印象が拭えなかったのだが、この作品でのジムは良い意味で淡々と演じていて演技力があると感じた。
ケイト・ウィンスレットは、子供っぽさと繊細さを持つ自由奔放なクレメンタインを、キルスティン・ダンストは普通の‥ちょっとキレ気味のメアリーから“とある瞬間”を迎えた後のメアリーとの違いを、二人とも見事に演じており、“フロド”ことイライジャもフロドとは全く違うイカレっぷりだ(笑)


どちらかというと…普通のラヴ・ストーリーとは違いシリアスな中にも更に独特の雰囲気があるので、気軽に友達にオススメできない、好き嫌いが別れるタイプの作品。
ハッキリとした道標…“引き金”になるシーン(ある一つのシーンを呼び起こすヒントになるシーン)が“わざと”曖昧にされていたりするので、「意味がわらない」という人もいるだろうと思う。
一緒に行った家族は「展開が速すぎて何がナンだか…」とボヤいていた(笑)

テンポも、速い部分と淡々としている部分とが入れ替わり、私的には、映画を観ながらと同時にパズルのようなシーン一つ一つを繋ぎ合わせて意味を理解していく…といった感じだったが、複雑なパズルではないので、慣れてしまえば途中からすんなり理解できる。
慣れるまでは、現実と仮想現実(“仮想”といっても実際に起きた昔の〔記憶〕のこと)の繋がりが少し曖昧で(中盤からラストの方がわかりやすい)、独特な雰囲気のある映画なので、その辺がこの映画の好みが別れるところだろう。
しかし、一見雑な作りのように見えて実は巧みに“記憶”というものを表現しており、ラストのトある人物の消された過去も意外で面白い。
自分も正直、試写会が当たっていなかったら映画館まで観に行ったかどうか…の好みのジャンルとは少し違っていたが、観ることができて良かったと思える映画だった。


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